日本の大学とは全く違う名門大学CalArtsでの入学試験


アニメーターでもあり、『ザ・ブック・オブ・ライフ』の監督でもあるホルヘ・グティエレスさんによるTEDxKidsでの講演動画が公開されています。講演内容は名門大学CalArtsでの入学試験について語っています。

ホルヘ・グティエレス TEDxKidsでの講演

ディズニーやピクサーなどのアニメーターが多く卒業することで有名な大学CalArts(California Institute of the Arts)の入学試験を受験したときのことを語っています。この時の体験がホルヘ・グティエレスさんの人生を大きく変え、アニメーション『ザ・ブック・オブ・ライフ』や他の作品にも影響を与えたそうです。

Every picture tells a story — The Book of Life | Jorge R. Gutierrez | TEDxKids@SMU

また講演の後半では、『ザ・ブック・オブ・ライフ』の主題でもある『自分の人生は他人が書いていくものではなく、自分で書いていくものだ』というアドバイスや『大きな夢を分割して達成すること』、『他人がどのようにして成功したのか調べること』など、子供だけでなく大人でも為になるようなアドバイスもしています。

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罵倒されてしまった名門校CalArtsでの面接試験

ホルヘ・グティエレスさんはCalArtsの入学試験のために作品集を2冊作り、面接試験に挑みました。1冊はイラストレーションの作品(エイリアン、モンスター、ビキニ姿の女の子など十代の青年が好きそうな作品)を集め、もう1冊はペインティングの作品(子供の頃から好きだったメキシコのカルチャーに影響を受けた作品)を集めていました。

Crap(駄作)ばかりのイラストレーションの作品集

面接官がイラストレーションの作品集を手に取ると「これはCrap(駄作)だ、これもCrap、これはもっとひどい。」とキビシイ反応を見せました。面接官は「この作品集は自分の好きなものをコピーしたものだ。これらの作品は自分がどんな人物なのか、自分が考えていることは何なのか、何も語っていない。これでは君はアーティストではない、ただのコピー機だ。」と言い、ホルヘさんに作品集を手渡しました。

ペインティングの作品集が窮地を救う

落ち込んだホルヘさんはイラストレーションの作品集を受け取り、退席しようとしました。その時、面接官が「もう一つの作品集を忘れているぞ」と言ってメキシカンカルチャーに影響を受けたペインティングの作品集を開きました。その瞬間に面接官は「ビューティフル」と言ってペインティングの作品を褒めはじめました。「この作品が君で、これが君が言いたいことだ。この絵を映像にしたら、今まで誰も見たことが無いようなアニメーションができるだろう。これを続けることを約束するなら入学してもよい」と言われ、名門校CalArtsに入学することができたそうです。




学生に求める人物像が日本とは違う

日本の美術大学の入学試験では試験用の指定された絵をきちんと描けることが合格の条件だと聞きます。ある画家が「デッサンのレベルが低い作品はもちろんダメだけど、レベルが高くてもダメ」と言う話をきいたことがありますから、日本の大学が求める人物像は限定された範囲内の人物であり、CalArtsとはだいぶ違うようです。

日本の教育よりもCalArtsのような教育方針が合う学生はCalArtsに挑戦してみるといいかもしれません。ただしかなりキツイ言葉をぶつけられるのは覚悟する必要がありそうですね(笑)。

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