元マイクロソフト株式会社の社長をしていた成毛眞さんの書籍『日本人の9割に英語はいらない』を読みました。かなり挑発的な文章ですが、おかしなことになってしまった日本人の英語学習について指摘しています。
なんのために英語を勉強するのか?
TOEIC取得を目標にしているビジネスマンが「なんのために英語を勉強するのか?」と考えるための書籍が『日本人の9割に英語はいらない』です。本当に業務で英語を使う必要のあるビジネスマンは1割であり、しかも英語を使うビジネスマンであってもビジネス英語は業務範囲が限定されているので必要以上に勉強する必要は無いと解説しています。また英語に費やする時間を教養や仕事を覚える時間に費やした方がいいと日本のビジネスマンにすすめています。
目次
- 本当に英語は必要なのか
- 英語を社内公用語にしてはいけない
- 本当の「学問」をしよう
- 日本の英語教育は日本人をダメにする
- 英会話を習うより、本を読め
- それでも英語を勉強したい人へ 成毛流英語学習法
挑発的な記述は気にしなくていい
最初の書きだしから「頭の悪い人ほど英語を勉強する」といったタイトルなので「カチン」と来る人もいると思いますが、挑発的な表現は気にする必要がありません。この書籍の中では東大生や総理大臣、日本の有名企業ですら散々なことを書かれていますから・・・(笑)。日本社会が持っている英語への幻想を壊し、現実的な英語教育と英語に対する意識改革を実行しようとすると、あまりにも問題の根が深いためについつい挑発的になってしまうのかもしれません。なぜなら茂木健一郎さんや他の英語教育者も現状の英語教育の話をするときは多少挑発的な気がしますから・・・(笑)。
感想:この本を手に取った人は「英語を勉強する1割」
この書籍を手に取った人は「日本人の英語教育や英語に対する意識は何かおかしい?」と感じているからこそ、この書籍を手に取ったのだと思います。そのような人こそ「英語を勉強する1割」であり、英語を活用するための目的を持た人なのではないかと思いました。
世の中には「英語を最短距離でマスターする」というキャッチコピーがあふれていますが、英語はマスターした後もメンテナンスする時間は必要ですし、そもそも「英語をマスターした」と言えるレベルがどの程度なのかわからないものが多いです(笑)。そのような書籍とは全く違う考えが成毛眞さんの書籍『日本人の9割に英語はいらない』だと思います。一般会話とは違い、ビジネス英語とは限定された範囲内での会話なので「自分に必要な最低限のレベルをマスターする」だけでいいのです。本来は英語をマスターする必要も無いし、TOEICを受験する必要も無いと考えると、忙しいビジネスマンの人は気が楽になるのではないでしょうか?